月一コラム第五弾!

 4月7日に法律に基づく緊急事態宣言が出されて約2週間が経過しました。
5月6日までの緊急事態宣言の期間が延長されるのかが皆さんの最大の関心事ではないでしょうか。
まもなく国の専門家会議が何らかの方針を示すことになるかと思いますが、多くの方々に聞かれるのは「新型コロナウイルス感染症に効くワクチンや薬ができるのか?」という点です。

 まずワクチンについてです。これは動物実験からスタートして、人の体を使って治験を行い、良い結果が出たら、国の薬事承認がおり、実際に製品化されるとなれば生産ラインを確保して必要人数分を製造する、という結構長い過程が予想されます。
様々なタイプのワクチンがあるのですが、常識的に考えて2021年7月に開催される東京オリンピックの開幕時点で、多くの日本国民がワクチンを接種した状態にあるというのは、私は困難だと考えています。それでも、日本政府は全力でワクチン開発をしなければなりません。なぜなら新型コロナウイルス感染症は全世界で流行していますので、世界各国は自国優先で開発・製造・販売を行うはずだからです。各国、必ず「自国民最優先」です。海外から輸入はできないと思ってください。だから、東京オリンピックまでに間に合う、間に合わないの問題ではなく、必ず日本国内で開発・製造・販売を行う必要があります。日本政府はここにお金を出し渋ってはいけません。

 次に、です。安倍総理大臣は国に備蓄してある新型インフルエンザ治療薬「アビガン」の治療・薬事承認に力を注ぐ旨を発表しました。もし治験で良い結果が出れば、それはとても良いことだと思います。でもあまり思わしくない治験結果が出ることも想定しておかないといけません。あくまでもアビガンは「新型インフルエンザ用」の薬剤です。客観的なデータは私の手元にないので断定はできませんが、医療従事者から漏れ伝わってくる声はアビガンは軽症の新型コロナウイルス感染症患者さんには効果があるが、重症患者さんに対する効果は薄い」というものです。もしこの声が事実であれば、アビガンは「軽症患者さんが早期に回復する」ことには役立っても、「重症患者さんの死亡率」は下げにくいという結論になります。例えばインフルエンザ治療薬に「タミフル」がありますが、この「タミフル」はインフルエンザを発症して48時間以内に服用しないと効果が無いとされています。仮にアビガンも同じような使い方になるのでしたら、今みたいに、新型コロナウイルス感染症を疑われても何日間もPCR検査をしてもらえない場合、そもそもアビガンは「実戦には使えない」ということにもなりかねません。今後の検討は専門家にお任せしたいと思いますが、要するにこの緊急時に「アビガン1点張り」は怖いということです。それと同時に様々な候補薬の治験や、候補薬の組み合わせ投与の検証することが急務だと私は強く思います。